生徒の残した声 (記30代女性)

 来たばかりの数日間はものすごく後悔していた。あまりの生活の変わりように頭がくらくらして、異次元の世界にやってきた気分だった。いきなり正規入所ではなく、2泊3日くらいの体験入所にしておけばよかった。そうしたら3日で家に帰れたのに、と何度思ったことか。
今になって思えば、もしはじめに体験入所していたら、本当に3日でうんざりして帰ってしまっていただろう。3日目というと不安がピークに達していたときで、まだ雪の残る町中を徘徊しながら「どうしよう、どうしよう」と思うばかりのころだったので。
1週間たったころには何とか気持ちも落ち着いて、それからはずっと毎日の課題をこなすだけで数ヶ月が過ぎてしまった気がする。
この数ヶ月間、その場その場の状況に対応しようとするばかりで、あまりものを考えなかった。悩んだり考え込んだりする部分を麻痺させることで、精神的につらくなるのを避けていたのだと思う。引きこもっていた17年間はなんだったんだろう、ということもほとんど考えられなかった。ひどく後悔する時期はもう過ぎてしまったし、大事なのはこれから先のことだと思ってきたけれど、この先求職活動をしようとすれば、空白の17年が大変な重荷になるだろう。13歳からの17年といったら、私の人生のほとんどすべてと言っていいと思う。それを考えないですませられるとは思えない。そのことに向き合おうと思えるようになったことは、ここに来ての収穫と言えるかもしれない。


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